ズズメの骨格標本を作った

趣味

結構前の話なんですが、スズメの骨格標本を作りました。

きっかけはスズメの死体を見つけたから。動物の死体とかむやみに触らない方がいいんですけどね。鳥だったら鳥インフルエンザとかが原因で死んだかもしれないし、アライグマとかだったらもしかしたら狂犬病なんてこともあるかもしれないし…。

過去には北海道でサルモネラ(ネズミチフス菌)によるスズメの大量死があったようです。この菌は食中毒の原因になります。

細菌やらウイルスやら寄生虫やら何がいるか分からないですよね。少なくとも動物の死体を素手で触るようなことはやめましょう。私は思いっきり触ってました。

1.まずは考察

このスズメに何が起きたのか?まずは死因を考えます。

ぱーっと見た感じ、首の辺りから出血、肛門からの腸管脱出がありました。解剖して後から分かったことですが、右烏口骨が折れてました。

コンクリートの塀のそばで発見したので、ぶつかったのかな?でも窓にぶつかるのは聞くけど、透明でもなければ景色が写り込むこともないコンクリートにぶつかるなんてことあるんだろうか。前見てなかったのかな…。

ていうか腸が肛門から出るってなんなんだろう。死んだ後に出ることがあるんだろうか。調べてみたら人の病気でも直腸脱というものがあるみたいです。直腸周辺の支持組織や肛門括約筋(ウンチが出ないように普段締まっている筋肉)が弱くなってきたり、腹腔内の圧力が高まったり、腸が重積(細い筒が太い筒の中に入り込むように腸が重なること)したり…。色々な理由で起きるようです。んー、分からないです。

2.使ってよかった道具類

家に本格的な道具はないので、身近なものを使いました。

解剖に重宝したのが糸切りバサミ刺しゅう針。糸切りバサミは切れ味良いし、何より細かい作業がしやすいです。持ちやすい。ほっそい腱を切ったりするのにちょうどよかったです。刺しゅう針は骨から筋肉やほっそい腱をはがしたりするのにちょうど良かったです。あとは汚れを削り取ったりとか。

そして、背骨を繋ぐのに使った針金。靭帯とか筋肉とか軟骨とかでつながった状態の背骨のなか(脊髄があった空洞)に、針金を通しておくと、バラバラになって順番がわからなくなったりすることがありません。針金を通した後に歯ブラシで肉を取り除けば良いので、ゴシゴシできるし作業がしやすい。ただ、物によっては錆びてしまうので、材質には注意しましょう。(錆びました)

3.手順

私が実際にやった手順をご紹介します!

3-1.解剖

まずは羽をむしりました。「むしる」って「毟る」って書くんですね。少ない毛を毟る。ひどい。

結構強めに引っ張らないとむしれません。皮裂けちゃうんじゃないかと思いましたが案外強いもので、大丈夫でした。むしった後の穴には出血が少しありました。毛と同じで根元には血が通っているんですね。

むしった羽は翼の羽・尾っぽの羽と1枚ずつ残しておきました。

次に開腹して内臓を除去しました。腹腔臓器(消化管、肝臓など)は腹腔を開けたら簡単に除去できます。胸腔臓器(心臓、肺)の除去はスマートにいきませんでした。胸腔を開けるには肋骨を切らないといけないのですが、それは嫌なので、斜隔膜(横隔膜みたいなもの)側からほじくり出しました。

内臓をある程度除去できたら、皮と筋肉を除去しました。これもだいたいでいいと思います。

3-2.残った筋肉を除去する

残った筋肉や靭帯を除去しました。

「骨格標本 作り方」とかで検索するといろんなやり方が紹介されていますが、だいたいこの3つでしょう。

虫に食べてもらう

ウジ(ハエの幼虫)やカツオブシムシに筋肉や内臓を食べてもらいます。解剖しなくても、猫やカラスに奪われないように対策をしっかりしていれば、放っておくだけで腐って骨と靭帯だけになります。ちょっと気持ち悪いですが便利な方法です。ちなみに、拾ってきたスズメの死体にはウジが何匹かいました。初めて見るウジは心にくるものがありました。あれはきつい。

溶かす

重曹を溶かした水で煮るといいそうです。でも死体を鍋で煮るのはちょっと…ってなると思います。そんな時はポリデント。入れ歯洗浄剤です。これで筋肉が溶けます。

私はこの方法でやりました。ポリデントは高いので、ケチって100均の入れ歯洗浄剤でやりました。

地道に除去する

スズメなんで骨はとても小さく細く、折れやすい。めっちゃ苦労すると思います。

3-3.脂抜き

水に浸けて脂を抜きました。重曹で煮込めばわざわざ脂抜きの工程を取らなくてもいいのかな。

3-4.乾燥

カラカラになるまでしばらく乾燥させておきました。私は100均で買った透明な書類ケースにいれて部屋で乾燥させました。

3-5.組み立て

接着剤で関節をつなぎました。骨と骨がぴったり合わさるのはかなり気持ち良いです。

足の指の骨なんかはものすごく細かくて、形大きさが似たものばっかなので、めちゃくちゃ難しかったです。解剖学の教科書をじっくり眺めながら骨の順番を確認してくっつけました。

4.ディスプレイする

ディスプレイケースは100均で買いました。プラモデルとか入れるやつかな?

骨格標本の土台は、ちっちゃい丸太の輪切りみたいなのを使いました。これに穴を空けて竹ぐしを刺して、竜骨突起(胸の骨の真ん中)とくっつけて、スズメを立たせました。ダメだ背が高い。

むしった羽2枚は、ケースの下に接着剤でくっつけました。

あとはラベル!標本の詳しい情報ですね。これがないと標本としての価値は99%無いに等しいです。学名、英名、和名、分類、性別(今回は不明)、採集日、採集地、標本完成日、標本作製者、剖検の結果(見られた異常とか)を記載しました。

5.失敗

いくつか私が失敗したことを挙げます!

5-1.肉が溶けない

ケチったのが裏目に出ました…。

100均の入れ歯洗浄剤では全然溶けませんでした…。全部で3錠使ったんですけど、筋肉は溶けるどころか、みずみずしくなっただけでした(笑)

結局、糸切りバサミとか刺しゅう針をうまく使ってなんとか取り除きました。大変だった…。

5-2.肋骨が分からなくなった

スズメの肋骨なんで、すごい細くて扱いづらい。肋骨と椎骨(いわゆる背骨)がつながる部分もはっきりとどこなのか分からない。そもそも他の肋骨と大きさや形が似ていて、順番が分からない。

えい、やあって感じで適当にそれっぽくくっつけました。

背骨は針金を通したので、順番通りに組み立てられましたが、それで満足していて他の骨のことはあまり考えていませんでした。

バラバラになった状態の小さな骨を、正しい順番にくっつけるのはかなり難しいです。軟骨とか靭帯とかでくっついてる段階できちんと順番を把握しておく必要がありますね。ものすごい手間ですけど、完成度を追い求めるなら仕方ないですね。

5-3.背の高いスズメになってしまった

鳥って低姿勢ですよね。あ、謙虚とかそういうのじゃなくて。

足の関節(ヒザ、足首)が90度よりも鋭角に曲がってますよね。「Z」みたいな感じになってるイメージ!それで低い位置に胴体がある感じ。

特に考えずになんとなく接着剤で関節をつなげたら、なんかやたらと背の高いスズメになりました。小さくコロンとしたスズメの骨格標本を作りたかったのに、これじゃスズメっぽくない。可愛らしさが失われました。

6.まとめ

最終的に完成した骨格標本については、肋骨と姿勢以外は満足のいくものになりました!

ちゃんと舌骨もあるし、膝蓋骨もあるし(片方無いけど)、指骨・趾骨もあるし。細かい骨も出来るだけそのままの形に組み立てることができました。

骨格標本を作ることで、その生き物がどんな体の構造をしているのかを詳しく知ることができます。筋肉や骨がどのように「動き」に関係しているのか、内臓がどのように位置しているのか。その生き物を見る目が変わると思います。

また機会があれば、骨格標本を作ってみたいと思います!!

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